チラ裏マガジン再評価の流れ。
チラ裏マガジンやろうよ 再評価の流れになってきた
— キュレェ (@kyremoe) 2025年12月24日
ある日
修論に耐えかねて見ていたテレビで、理髪チェーン店のCMが流れていた。実写とイラストを混ぜた、大学生っぽい男性と女性が出会うやつ。最初に社名が出てきて「アレ?」ってなった。なぜならそれは私が中学生から高専5年間通い続けてきた1000円カットだったから。ロゴはずいぶんとシンプルになり、床屋っぽさも消えている。
正確には1000円カットではなく2000円くらいはするんだけど、分かりやすさのために1000円カットと呼ぶ。安い金額、それほど丁寧とはいえない施術、回転率を重視してすぐに終わるカット、全然話してくれないスタッフ、前向きのシャンプー。似たようなものだ。
ぼくは小学校高学年、たぶん中学校に入ってからもしばらくは母親に髪を切ってもらっていた。そのあと、髪を切るためだけに高い金を払う意味も分からないし、美容室での会話なんてできないと思っていたから、効率厨の父親に頼んで同じ店に通った。
本当に髪型に興味がなかった。ずっと横と後ろ刈り上げで上は短めで、しか言ってなかったし、シャンプーも顔剃りも全部込みで15分くらいで終わっていた。似合う髪型も知らないし、どう注文していいかもわからなかった。前にTwitterで「チー牛ヘア」って画像が僕と同じでびっくりした覚えがある。髪質も硬くて太くて黒い。下ネタじゃなくて。
意識したのは成人式のとき。久しぶりに会う男友達がみんなナチュラルパーマかセンターパートかマッシュヘアになっていて驚いた。野球部で無個性丸刈りだったのが嫌だったはずなのにまたおんなじ髪型してるやん(笑) …冷笑しているから"こう"なっているんだけれど。ぼくはめちゃくちゃ「変わらないね」って言われた。もちろん髪型だけじゃない、顔も苦労してきてない顔のまま。
それでも地元にいる間は何かしら理由をつけて美容室はそのままだったが、大学に入って強制リセットされたから適当な美容室に駆け込んで、パーマを当てた。いつも払っている金額の2倍、いや3倍以上を払った。髪型が変じゃないか緊張して視界がくらくらした。初めての後ろ向きのシャンプーは、首をどうすればいいのかわからなくて力が入ってしまい、首がつりかけた。シャンプーで眠れるほど心落ち着かないんだけど。
今でも1万↑平気で飛んでいくのは慣れないし、美容師との会話は緊張する。「これいくらだと思います?」みたいな会話に1万円違う金額を言って空気を凍らせたこともある。けど服装や食事と同じようにある程度金をかけるべき箇所であることはわかってきた。まともな大人になるために、あるいはまともな人間に溶け込むためには。
だからこそ、今でもちゃんとした美容室に行かずに済ませていた自分が恥ずかしいし、1000円カットを恨むのがやめられない。いまだに。


